「くまーま」という方言は、どこの方言なのかご存知でしょうか。「くまーま」とは沖縄の方言です。「くまーま」の後に続く言葉があって、はじめて意味を持ちます。今回は、全国的にも難解な方言として有名な沖縄で使われる「くまーま」について、その意味や由来、使い方を例文を用いてご紹介します。
くまーまーの意味と使われる地域
「くまーまー」は沖縄の方言ですが、「くまーまー」だけでは言葉として成り立ちません。「くまーまー」は「くまーまーやいびーが?」の一部を切り取ったものです。
「くまーまーやいびーが?」とは、場所の此処をさす「くま」と、場所をたずねる「まーやいびーが」をくっつけた方言です。
くまーまーを標準語に言い換えると
「くまーまーやいびーが?」の一部なので「くまーまー」を標準語に言い換えることはできませんが、「くまーまーやいびーが?」は標準語に言い換えると「ここはどこですか?」となります。
沖縄の方言で「くま」とは「此処」のことです。「まーやーびーが?」は「どこですか?」と言い換えます。つまり、「くまーまー」だけでは言葉として通じないわけですね。
くまーまーの漢字
「くまーまーやいびーが」は漢字で書くことはなく、「くま」と「まーやーびーか」に分割しても、漢字では書きません。もともと沖縄の方言は琉球王国の独自の言葉でした。中国の影響を強く受けていた琉球なので漢字文化が色濃く残っているような気もしますが、方言は漢字では書かない言葉がほとんどです。
くまーまーの発祥や由来
「くまーまーやいびーが?」のように、本州の人が聞いても全く意味を理解できない言葉が多い沖縄の方言は、奈良時代よりも前に日本語とは違う言語として確立されていたと言われています。
方言という考え方をする人もいますし、まったく違う言語だという人もいます。しかも、沖縄から奄美大島の地域で使われる言葉は、島ごとに違うので琉球語、沖縄言葉と一括りにすることもできないほど奥が深いのです。
くまーまーの使われ方
沖縄では、「ここはどこですか?」と丁寧に人に尋ねる時に使う方言です。道に迷って見ず知らずの人に自分がいる場所を教えてもらうために話しかける時には、「くまーまーやいびーが?」と丁寧に言うのです。
沖縄方言ではくまとあまの違い
「此処」のことを「くま」と沖縄では言いますが、「此処」ではなく「彼方」は「あま」と言います。「くま」と「あま」で場所を示すとは、やはり沖縄の言葉は難解だと改めて実感しますね。
くまーまーの例文
「くまーまーやいびーが?」がどんな場面で使われているのか、例文をいくつかご紹介します。
「くまーまー」の例文①
女性
(道に迷ってしまいました。ここはどこでしょうか?)
(あららら、こまったね)
男性
女性
(地図を紙に書いてください)
まさにこういう場面で使う方言です。若い人でも日常会話として使いますが、同世代の人ではなく、年上の人に対して丁寧にたずねる時に使います。
「くまーまー」の例文②
女性
(ごめんください。私たち困ったことがあります。財布を盗まれてしまいました。ここはどこなのでしょうか?)
(大変だぁ~)
女性
女性
(お願いします。警察を呼んでください)
このような非常事態に沖縄の言葉がわからない人に対してこのように話しかけられたら、まったく意味不明でしょうね。
「くまーまー」の例文③
女性
(ここはどこですか?)
(糸満市ですよ)
男性
女性
(○○へ行きたいのですが、ここから○○へはどのくらいの時間がかかりますか?)
ネイティブに沖縄の人たちがこの例文のような会話をしていたら、どもをとっても理解できそうにありません。ゆっくり話しても、わかるポイントを見つけられそうにないですね。
まとめ:場所を示す「くま」と「まーやーびーが」
沖縄の方言は、日本語とは別の言語形態で発展してきた長い歴史があります。「くまーまやーいびーが」のように 目上の人や顔見知りではない人に使う丁寧な沖縄の言葉があるのですね。習得するのが難しい方言としては、トップレベルではないでしょうか。
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